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土曜日は旅の記憶 Vol.5『DREAMS COME TRUE』

七夕日記★織り姫と彦星のはなし






2001年8月

バリ島へ行ってみたいという

姉のたっての願いで

半ばしぶしぶバリ島へ行向った。





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私にとっては2度目のバリで

主な観光地はすでに前回に観て回っているからして

ライステラスや寺院やリゾート地などをピックアップして

姉のための島内観光を足早に済ませ







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姉を説き伏せ、かつてから行きたいと思っていた

お隣のジャワ島にあるポロブドゥール遺跡へと向うことにした。

これは日本を発つ時点で計画にはなかったことなので

バリで国内線の航空券を購入し

「ま、ジョグジャカルタの空港へ降りればなんとかなるさ。」

とういノリで、私たちはジョグジャカルタの空港へ降り立った。








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降りたはいいが、

ポロブドゥール遺跡までの行き方がちっとも分からない。

仕方がないので日本語のできるドライバーの運転するタクシーを探したが

「ないよ。」と日本語(!?)で断られ

ま、しゃあないと片言の英語の話せるドライバーの車を

1日チャーターしてポロブドゥールへ向った。








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うろおぼえなのだが

一日、日本円で5~6千円くらいだったかのチャーター料金で

気のいい3児の父親の彼は

プランバナン寺院やらジョクジャカルタ王宮やら市場やら

私たち姉妹を乗せあちこち車を走らせてくれた。








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古代の建造物の1つで、およそ西暦800年頃に

シャイレンドラ王朝の王によって建てられたというポロブドゥールは

考えてみればあたりまえの話なのだが

地元のジョクジャカルタの子供達の学校の

遠足の目的地でもあったりするのだ。

この時、遠足で先生に連れ添われた中学生と思しき30人程の子供達と

この奇妙な形をした遺跡の上で出会った。

彼らは外国人と会話をするのが嬉しかったのか

私たち姉妹は笑顔で話しかけられ

私は片言の英語で彼らと十数分間のお喋りを楽しんだ。








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子供たちが可愛らしかったのでつい

「私には日本にあなたたちと同じ歳頃の息子がいるのよ。」

と言うと、一人の少女が目を輝かせてこう言った。

「私の夢はね。いつか日本に行くことなの!」

「日本の大学で勉強したいの。」と。

私は思わずこう答えた。






I wish that your dreams come true.


私は、あなたの夢が実現することを願っています。







何とか、意味が通じたのだろう。

彼らの間から歓声が上がった。









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その時の彼らの写真は手元に残っていない。

けれども日に焼けた笑顔の褐色の口元からこぼれた

真っ白い歯とキラキラと眩しく輝いていた少女の瞳は

青々としたジャングルの風景とともに

眼を閉じると今でも瞼に焼き付いている。







DREAMS COME TRUE







あの日から8年半が過ぎた。

あの少女の夢は叶ったのだろうか。

同じ日本の空の下で、あの頃のキラキラとした光を保った瞳のままで

笑顔で勉強を続けていてくれればいいと思う。

私の瞼に焼き付いた少女の笑顔が永遠のものであることを

今も切ないほどに思い出しそして、そう想うのだ。






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    7月7日生まれの織り姫マリネと彦星ラムネ。母犬ポップの3頭のパグを中心に紡いだ雑文集。
    日々の暮らしのレポートではなく、心に感じた由無しごとを文章にかえてお届けしています。
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