七夕日記★織り姫と彦星のはなし
2001年8月
バリ島へ行ってみたいという
姉のたっての願いで
半ばしぶしぶバリ島へ行向った。

私にとっては2度目のバリで
主な観光地はすでに前回に観て回っているからして
ライステラスや寺院やリゾート地などをピックアップして
姉のための島内観光を足早に済ませ

姉を説き伏せ、かつてから行きたいと思っていた
お隣のジャワ島にあるポロブドゥール遺跡へと向うことにした。
これは日本を発つ時点で計画にはなかったことなので
バリで国内線の航空券を購入し
「ま、ジョグジャカルタの空港へ降りればなんとかなるさ。」
とういノリで、私たちはジョグジャカルタの空港へ降り立った。

降りたはいいが、
ポロブドゥール遺跡までの行き方がちっとも分からない。
仕方がないので日本語のできるドライバーの運転するタクシーを探したが
「ないよ。」と日本語(!?)で断られ
ま、しゃあないと片言の英語の話せるドライバーの車を
1日チャーターしてポロブドゥールへ向った。

うろおぼえなのだが
一日、日本円で5~6千円くらいだったかのチャーター料金で
気のいい3児の父親の彼は
プランバナン寺院やらジョクジャカルタ王宮やら市場やら
私たち姉妹を乗せあちこち車を走らせてくれた。

古代の建造物の1つで、およそ西暦800年頃に
シャイレンドラ王朝の王によって建てられたというポロブドゥールは
考えてみればあたりまえの話なのだが
地元のジョクジャカルタの子供達の学校の
遠足の目的地でもあったりするのだ。
この時、遠足で先生に連れ添われた中学生と思しき30人程の子供達と
この奇妙な形をした遺跡の上で出会った。
彼らは外国人と会話をするのが嬉しかったのか
私たち姉妹は笑顔で話しかけられ
私は片言の英語で彼らと十数分間のお喋りを楽しんだ。

子供たちが可愛らしかったのでつい
「私には日本にあなたたちと同じ歳頃の息子がいるのよ。」
と言うと、一人の少女が目を輝かせてこう言った。
「私の夢はね。いつか日本に行くことなの!」
「日本の大学で勉強したいの。」と。
私は思わずこう答えた。
I wish that your dreams come true.
私は、あなたの夢が実現することを願っています。
何とか、意味が通じたのだろう。
彼らの間から歓声が上がった。

その時の彼らの写真は手元に残っていない。
けれども日に焼けた笑顔の褐色の口元からこぼれた
真っ白い歯とキラキラと眩しく輝いていた少女の瞳は
青々としたジャングルの風景とともに
眼を閉じると今でも瞼に焼き付いている。
DREAMS COME TRUE
あの日から8年半が過ぎた。
あの少女の夢は叶ったのだろうか。
同じ日本の空の下で、あの頃のキラキラとした光を保った瞳のままで
笑顔で勉強を続けていてくれればいいと思う。
私の瞼に焼き付いた少女の笑顔が永遠のものであることを
今も切ないほどに思い出しそして、そう想うのだ。
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